責任が出てきた正社員の苦労…

成田空港でJALパックのお客様を送りだす業務を行うセンダーという仕事をする人たちのドラマ「あぽやん〜走る国際空港〜」

第3回の冒頭では、スーパーバイザー(班長)初日の遠藤はアサイン表の作成で頭を抱えています。要するにスタッフのその日の担当の割り振りを考えているのですが、班長とか主任という立場になるとスタッフの仕事のスケジュールやシフトを組むのも仕事のひとつになるんですよね。これ結構大変です(^^;)

私自身正社員として動物病院で勤務をしていた頃、主任の立場で働かせていただいた期間がありました。この時、動物看護士のスタッフのローテーションを作成していたのですが、これにはかなり頭を悩ませました…

それぞれのスタッフに休みの希望があるので、それを考慮してそれぞれの勤務に適度な間隔で休日を入れ…それでいて1日の出勤人数の頭数を揃え、さらに早番と遅番の日数の比率もみんな同じくらいになるようにする…しかも2、3人くらいならまだ簡単かもしれないけど、女性ばかり10人近くの人数となると…苦労します(^_^;)
さらにこの作業、もちろん日常の業務をしながらなので勤務中にはじっくり考えることなどできず、休日にまで考えていたこともありました。で、どうしてもうまく組めない時は自分が負担をするしかなく、9日連続で出勤したことも…


同じく第3回の放送では、本社との勤務日数を合わせるために勤務調整日としてスーパーバイザーだけシフトを増やすことがあるということで、先輩の田波(眞島秀和さん)が遠藤の班で1日働くことになりました。普段無口であまり話さない田波だが、実は社内で優秀スタッフ賞を受けている人物。
そして、その日に懸賞で当てた旅行に出発しようとしている子供2人連れの家族がやってきます。この中の男の子・夢幻くんのパスポートに母親が穴を開けていてナンバーの一部が欠け、出発出来ないという事態…この両親、息子を置いて下の子だけを連れて出発してしまいます。

夢幻くんは祖母が迎えに来ることになるのですが、色々あって祖母は空港まで来れず、田波の車で祖母宅まで送り届けることになった時、遠藤が自分も行く、最後まで見届けたいと言いますが、田波は…

「ダメだ、今日のスーパーバイザーは君だろ、明日の早番への引き継ぎがまだ残ってるはずだ。早番への引き継ぎをして遅番の最後を見届ける、それが遅番スーパーバイザーの仕事だ。自分の感情だけで動くんじゃない。夢幻君を送るのは僕たちに任せて君は自分の仕事をするんだ」

と言います。


実際には後で遠藤も駆けつけて合流するのですが、この田波のセリフ…
役職のある立場の人間の仕事に対する姿勢として的確だなぁ、と思いました。
自分の立場としての責任を果たすことの必要性はもちろんですが、最後のセリフに「夢幻君を送るのは僕たちに任せて君は自分の仕事をするんだ」とあるように、部下を信頼して仕事を任せることが出来るかどうか です。


上司と部下の信頼関係というと部下である立場の方が圧倒的に長い私のような者からすれば、部下から見て信頼できる上司かどうか?…という方向で考えることがどうしても多くなります。派遣で働いていたりすると自分が人の上に立って働くことってありませんからなおさら…(^^;)

それによくマスコミでは上司にしたい有名人のランキングとかやっていますね。役柄のイメージとかあるんでしょうね、そういうのって…ドラマの中では理想的な上司の姿ってあるかもしれませんが、現実にはそんなに理想的な上司っていません。まあそれだけ人の上に立って仕事をすることが難しいことだということかもしれませんが…

でも反対に上司という立場になれば、<部下を信頼して仕事を任せる>ということが出来ないと業務も立ち行かなくなる事態にもなりかねません。何でもかんでも1人で抱え込んでしまって出来る訳じゃないですから…

私は主任時代これがなかなかうまく出来ませんでした。どちらかと言うと部下を信頼していないというのではなく、私自身が自分の思っていることをなかなか口に出して言えない性格だったので「この人にこの仕事をやってもらいたいなぁ…」と思っていても言い出せなかった、というのが真相ですが…それで結構負担が重くのしかかりパンクしました(^^;)今から考えると、その時一緒に働いていたスタッフの何人かとは今でも交流があるくらい信頼関係は出来ていたので、臆せず思い切って言えばよかっただけのことでした(^^;)

平社員ではない自分の立場としてやるべき仕事はちゃんとする…そして日常の業務や部下にやってもらえることは信頼して任せる…そういう役職者としての仕事への向き合い方をこのドラマの田波のセリフで再認識しました。

ま、私の場合は役付きで人の上に立って仕事をするのに向いていなかったのかもしれませんけど(^。^;)きれい事だけで上司は務まりませんよね。言いたくないことでも言わなきゃいけない時もあるし、難しいです…

しかし、数年間でも主任という立場で仕事をさせていただけた経験はとても役立っています。考え方の幅も広がりましたし、異なる視点で物事を見てみるということも少しはできるようになったと思っています。

信頼される部下になるにはどうすればいいのか?どういう姿勢で仕事に向き合えばいいのか?正社員ではなく派遣社員として働くならどういうスタンスで働いたらいいか?ということも考えることが出来るようになってきました(^^)

この回では、他にも1人空港に残された男の子の複雑な気持ちに対応する遠藤と田波のおもてなしの対応や、遠藤がスーパーバイザーとして少しずつ成長していく姿も見物です(^^)


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